招待客の人選するときは、主賓中心主義をとり、パーティの趣旨にそうよう人選します。特に外国人を招く場合、仲の悪い国の人同士を招待しないよう、留意することが肝要です。
また、主賓より地位が高い人は極力避ける(主賓に第1席を与えるため)とともに、婦人客より男子客を多くする(食卓の端は男子客で占めるのがよい)ほうが、席割りを作る場合便利です。
なお、パーティ開催直前に、欠席者がでることがおうおうにしてありますので、補充客を考えておく必要があります。
パーティの席割り作成に当たっては、まず、上位席を決めることが先決です。上席が決まると、そこを主夫人(ホステス)の席とし、その正面を主人(ホスト)の席とするのが原則です。
男子のみの、いわゆるスタッグ(stag)・パーティの際は、主夫人の席に主賓をおきます。
長テーブル(フランス式)では、主賓男子の席は主夫人の右、主賓夫人の席は主人の右、第2位男子の席は主夫人の左、第2位夫人の席は主人の左となり、以下、序列順に男女の席を右左交互にとっていきます。
特に留意すべき点は、
1) 夫婦の隣合わせは絶対に避けるとともに、その向かい合わせもできる限り避けること、
2) 既婚婦人を食卓の両端におくことも避け、男子客で占めるようにすることです。
令嬢は、主夫人の代わりになった場合を除き、婦人客の下位におきます。
各招客の席上(通例、ナプキンか皿の上)には、客の官職や名前を書いた席札をおきます。この場合、日本人用の席札は日本語で、外国人用の席札は英語または適当な外国語で書くのがよかろうかと思います。
書き方は、外国人の場合、役職のみでその客の名がわかるようなときは、役職名のみを席札に書くのが普通です。
多数の客が出席する宴会では、各自の席をあらかじめ知らせておき、スムーズに着席できるようにしなければなりません。
このため、宴席案内札(カード型の紙にテーブルの形を印刷し、招客の座席の位置に○印を付して、席を示した案内札)を、前もって招客に手交しておく方法がとられます。
招客数があまり多くない場合は、テーブル・プラン(宴会テーブルの縮図を作って、各招客の座席どおりに名札を配列したボード)を、会場の入口において、座席を知らせる方法がとられます。
大人数のパーティの場合は、レシービング・ラインを作って、招客を主賓に紹介するのが通例です。
レシービング・ラインでの並び方は、入口に近い方から、主人、主賓、主賓夫人、主夫人の順とするのが一般的です。
このとき、招客は別室にいて、名前を呼ばれた順(通例、序列順)に進み出て、係の者から、紹介用名札をうけとり、レシービング・ラインのある部屋に向かいます。
レシービング・ラインの手前で、招客が、紹介用の名札を待立の者に手渡しますと、待立者は、“TheChiefJusticeandMrs.A”のように、名前を呼びあげます。
ここで招客は、レシービング・ラインの前に進み(夫妻の場合、男性が女性より席に進みます)、挨拶をしたうえ、次の部屋に移ります。挨拶の際、先方から求められた場合にのみ握手をし、そうでないときには軽く会釈をするのが上品な行為とされております。
なお、小人数のパーティで、レシービング・ラインを作らないとき、主人は、“Mr. Ambassader mayI present Mr.A”のように、最初に上位者に向かって呼びかけ、下位者の名前をつけ加えて紹介するのがていねいなやり方です。
この場合、男子が元首、王族、高僧など高貴な人であるときは例外ですが、「婦人に男子を紹介する」という原則に留意する必要があります。
日本式の宴会では、宴会のはじめに乾杯を行いますが、西洋式では、デザートの時点(前か後)に行うのが普通です。
その場合、主人がスピーチを行い、乾杯を提議したあと、出席者一同起立のうえ乾杯を行い、ついで、主賓のスピーチ、乾杯の提議、一同乾杯と続くのが通常の形です。
(出典:「国際儀礼に関する12章プロトコール早わかり」外務省外務報道官/編集、財団法人世界の動き社/発行)
(連絡先 総務企画課 企画情報担当)