国際儀礼(プロトコール):国旗
1.国旗掲揚の基本原則
- 国旗は、国家国民を象徴するシンボルとして掲揚されるものですから、汚れたり、破損したりしたものを使用してはなりません。
- 国旗を旗竿(ポール)に掲揚する場合は、常に旗竿の最上部(竿頭)に接して掲げなければなりません。また、三脚などを使用する場合は、国旗を地面につけてはいけません。
- 日本国旗と外国国旗を同時に掲げる場合には、国旗の大きさは同一で、旗竿の高さも同一としなければなりません(壁に掲揚する場合も、同一の高さとします)。
- 外国国旗を日本国旗と併揚する場合、国によっては、革命や国家元首の交替などに伴い、国旗の図柄がその全部または一部変わる場合がありますので、事前に国旗のサイズ(縦・横の比率)および図柄について確認することが必要です。
- 自国の国旗(日本国旗)を掲げることなく、外国国旗のみを掲げてはいけません。
- 一本のポールに二カ国以上の国旗を掲げてはいけません。
- 二カ国の国旗を掲揚する場合、国旗掲揚の上位の位置とは、内側から見て右側、すなわち外側から見て左側となります。
- 通常、国旗と団体旗は併揚しません。ただし、併揚する場合には、国旗は団体旗よりも大きく、団体旗よりも高く掲揚しなければなりません。
- 複数の国旗を掲揚する場合、および国旗と、これとは性格を異にする旗(団体旗など)を掲揚する場合は、最上位の旗を最初に掲揚します。また、降納の場合は、最上位の旗を最後とします。
- 国旗の掲揚は、通常、日の出(または始業時)から日没(または終業時)までとします。
- 雨天の場合は、通常、国旗は屋外には掲揚しません。
- 弔意を表わす場合は、半旗を掲げることがあります。その手順は、ポールの場合、一度旗竿の最上部まであげてから半旗の位置まで下げます。
- 国旗掲揚の際は、起立して姿勢を正し、目礼または脱帽して国旗に敬意を表わすのが国際的な慣例となっています。
2.掲揚の具体的方法
- 日本国旗と外国国旗を併揚する場合
国旗は、原則として自国旗に最優先権が与えられますが、今日、日本では、とくに外国に敬意を表わすという意味から、外国国旗をポールまたは壁に向かって左側(上位席)に、日本国旗を右側に掲揚するのが一般的な形となっています。(なお、アメリカ、フィリピンなど自国旗優先主義をつらぬいている国があります)。
ポールを使用する場合は、併立するのも交差するのも可能です。
ただし、交差する場合の国旗の位置は、向かって左側に外国国旗、右側に日本国旗となる点は変わりありませんが、ポールの交差する部分が外国旗が手前になるので、注意が必要です。
- 三カ国以上の国旗を掲揚する場合
(ア)三カ国の場合:通常、日本国旗を中央に、他の二カ国の国旗は、国連方式による国名アルファベット順にしたがって先順位の外国国旗を日本国旗の向かって左側に、そして他の一国の国旗を右側に掲揚します。壁に掲揚する場合、スペースの関係で複数の国旗を横に並べて掲揚できない場合には、各国旗を縦向きに掲揚することも可能ですが、この場合、たとえば、アメリカ合衆国の星条旗やオーストラリアなど、旗の左上部の小区画(カントン)がある国旗については、必ずカントンが右上方(向かって左上方)にくるようにしなければなりません。
(イ)四カ国以上の場合:通常、国連方式による国名アルファベット順に従って、ポールまたは壁に向かって左から右へ羅列してゆく方法が一般的ですが、たまたま国の数が奇数の場合には、日本国旗を中央に配して外国国旗をアルファベット順に交互左右に配列してゆく方法があります。
- 卓上旗
国旗掲揚の仕方は、基本的に上記を同様です。
- 国旗と団体旗を併揚する場合
国旗は一国を代表するものですから、国旗と団体旗を併揚することは厳に避けるべきでしょう。
しかし、どうしても併揚せざるを得ない場合は、国旗は団体旗よりも大きくし、また、団体旗よりも高く掲げなければなりません。
したがって、こうした掲揚の仕方は、屋内で、しかも壁などに掲揚する場合には可能ですが、屋外にある高さが同一のポールへの掲揚は、不可能となるわけです。
いずれにしても、国旗と団体旗の併揚は厳に慎むべきでしょう。
(出典:「国際儀礼に関する12章プロトコール早わかり」外務省外務報道官/編集、財団法人世界の動き社/発行)
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(連絡先 総務企画課 企画情報担当)