国際儀礼(プロトコール):上位席

1.国旗

日本国旗と外国国旗とを併揚する場合、通常、右翼(人が国旗に向かってみれば、左手となります)を上位席として、敬意を表する国旗をそこに掲げます。
ただし、国旗の数が多いときは別で、国際慣行として、国名のABC順(国連の国名表によるのが無難です)により、向かって左側から並列しております。

2.自動車

運転者が職業運転手である場合と、そうでない人(自家用者の持主など)である場合とで異なります。
前者の場合、第1位の座席は後部座席の右側、第2位の席は後部座席の左側、第3位の席は前部の助手席(または後部座席の中央席)となります。
他方、後者の場合は、運転車の立場を考慮しますので、第1位の座席は前の助手席となります。第2位の席は後部座席の右側、第3位の席は後部座席の左側となります。
また、乗り降りについては、乗るときは上位者が先、下位者があと、降りるときは下位者が先というのが一般方式ですが、これは国により、また、車付けが左付け(左側通行の場合は、通常、左側につけます)か右付けか、によっても異なります。

3.飛行機

飛行機の上位席は、機種によって異なりますが、一般に前方の右側、というケースが多いようです。また、乗降については、上位者が最後に乗り、最初に降りるというのが、国際的にも一般的に行われている原則です。

4.エレベーター

エレベーター内での上位の場所は、入って左側の奥隅(つまり、内部から見て右隅)とされております。

5.室内

日本座敷では、床のある方が上位席ですが、洋室においては次のとおりとなります。

  1. マントルピース(暖炉の飾りわく)のある方を上位の席とし、入口を下位の席とします。
  2. マントルピースがない場合は、入口の方を下位として、その正反対側を上位席とします。
  3. 入口の反対側を上席とすることが不適当な場合は、庭に面した壁寄りの方を上位席とし、庭を背にした側を下位の席とします。

なお、応接セットの上席は、長ソファーの右側とされております。

(出典:「国際儀礼に関する12章プロトコール早わかり」外務省外務報道官/編集、財団法人世界の動き社/発行)

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