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No.3 「お世話に・・・」

職場で鳴る電話をとると、明らかに勧誘系・営業の電話であることがたまにある。そのとき、相手が名乗った後「お世話になってます。」ということがある。そこで、本来ならば私も「お世話になっております」と返すべきところだが、ふと考えて「はい」とだけ返事をすることもある。

職場の特徴から明らかに、「お世話になっています」がおかしいその場限りの勧誘系・営業電話に対して「お世話になってます」を使うことに疑問を感じることが、最近多々ある。

まだ相手が最初に「お世話になります」を使ったならば、ひょっとして話の次第によれば「お世話になる」可能性もあるので、その場合は「お世話になります」と返す場合もある。

このビジネスでよく使われる「お世話になっております」を、勧誘や営業の電話で使用するのは、どうかと思う。例えそれがマニュアル化されていても、初めて電話する相手に対して、「お世話になっております」という習慣的意味を備えた進行形は『おかしいのではないか?』ということぐらい、感じて欲しい。その場合「○○と申します。突然の電話で申し訳ありませんが、今お時間よろしいでしょうか?」くらい丁寧だと、こちらも聞く態勢ができる。

決まった場面における決まった言葉の型は、会話を円滑に運ぶ機能はあるが、そこに意味はなく、誰も気に留めないのかもしれない。しかし言葉は、惰性で使うものではなく、コミュニケーションの手段として人間が手に入れたものなのだから、もう少し大切に心から使って欲しいと思う今日この頃なのでした。


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