日本語教育リソースルーム




No.1 「ご迷惑様」

日本語ボランティアを始めてからというもの、街中で人が使っている日本語が気になって仕方ない。

たまに、自分の中に引っかかる言葉があると、いてもたってもいられなくなり近くの書店に飛び込み辞書を引いてしまう。

そんな私が今回気になったのは・・・・・。

ある日、友達との待ち合わせ先まで行くのに地下鉄に乗った。土曜日の夕方でしかも何やらイベントがあるらしく、その電車はほぼ満員の状態で非常に混んでいました。そんな電車に乗ったことを後悔しつつ、乗換駅まで我慢しようと思いました。そして乗り換え駅に着いたとき、駅員が言った言葉がその後ずっと耳を離れませんでした。

「混み合いましてご迷惑様です。」

「は?」一瞬なんだそりゃ?と思いました。自分の中にない言葉遣いは、時に拒絶反応を起こします。私の場合、これがそれです。

はじめは、「ご迷惑様」という言葉が初めてなので、考えました。たしかに「ご苦労様」や「お疲れ様」、「ご愁傷様」に「お世話様」、「ご馳走様」に「お粗末様」、「お生憎様」や「お待ちどう様」は耳に馴染んでおりますが、『ご迷惑様』は初めてでした。

決して意味が分からないというわけではなく、聞きなれない言葉に戸惑ったというだけなのですが、どうも私には受け入れ難い言葉です。

名詞または形容詞・形容動詞に「お」や「御(ご)」の丁寧の接頭語をつけ、最後に「様」をつける言い方は、前述のように多々あります。

このような言葉は、もとの名詞・形容詞に対して感情をそこに含んでいるような気がします。たとえば「ご苦労様」「お疲れ様」は、そこに労いの意がふくまれるという感じです。

おそらく「ご迷惑様」もそこに"謝り"の感情があるため、駅員さんは使ったのでしょう。ひょっとしたらマニュアル化されているのかもしれません。

あぁ、それにしても、気になる言葉です・・・。


戻る

文頭へ