日本語教育リソースルーム



日本語ボランティアシンポジウム2004「教室へ行こう」参加報告
(リソースルームボランティア O)

 12月の恒例行事、東海日本語ネットワークさんが主催する
「日本語ボランティアシンポジウム」へ行ってきました。
今回は、 第1部 「若者講座」顛末記   第2部 日本語教室探検記


 第1部は、この夏開催された「若者のための日本語ボランティア理解講座」に参加された方たちが、講座を終えてどんなことを思ったのか、日本語を教えるだけでない、ボランティアの活動内容など今回の講座で学んだことや、講座を終えたあと、自分が関わり始めた活動内容の紹介、日本語教師を目指す将来に向けて、この講座が役に立ったと言う話をしてくれました。
 また、若いメンバーが日本語ボランティアの活動に参加することで、外国人もより多くの世代の日本語に触れることが出来る、やる気のある若い力は、教室の活性化に役立つ、と今後の活動の提案もしっかりしていました。

 パンフレットには、「ボランティア教室には、学生は長期でボランティアを続けられないため受け入れにくいと考えているところが多いと聞きます。しかし、やる気のある学生が参加すればそれまでのスタッフとは違った視点が持ち込まれ、その教室自体の活性化に繋がるでしょう。いろいろなスタッフがいることで、教室の魅力も高まるはずです。」とあります。「ことばの会」では、学生用のプランを立て、講座終了生が参加しているそうです。
 リソースルームボランティアにも講座終了生が一名います、興味を持たれた方は、リソースで彼を指名してください。




 第2部は、4つの日本語教室訪問報告と座談会の5部構成でした。
4つの「日本語教室」に焦点を当てた報告は、こんな視点で選ばれていました。
「NIC日本語の会」 長年の経験をもった老舗。
「あいち日本語の会」 新しい取り組みに積極的に取り組んでいる教室。
「日本語教室あいうえお」 新しい教室のさまざまな苦労とこれから。
「桑名市教育委員会の取り組み」 子供をサポートする取り組み。

「NIC日本語の会」
 名古屋国際センター主催の教室です。ビデオで紹介されたクラスは、会話クラス、漢字クラス、会話サロンでした。話を聞いて、ビデオを見ていると、どのクラスもしっかりしている!先生が壇上で多くの生徒に教える、日本語学校という感じがします。
 会話では、オリジナルテキストを基にした教案を使った、安定感のある授業が展開されていました。
 会話サロン(最上級クラス)では、年賀状を書き、ポストへ投函、受け取った年賀状の紹介と、会話だけでなく総合的なアクティビティで総合的な授業を行っているのも印象的でした。
 パンフレットにあるように、教室の大きい、小さいに限らず、参考になる点が多い教室だと感じました。


「あいち日本語の会」
 まずビデオをみて気になったのは、「1クラスに、ずいぶん人がいるなあ。」と言うこと。あとの説明で分かったのは、1クラスにメインの教師1名と学習者の横に座る複数のアシスタントでした。「あいち日本語の会」は、全部で4クラスなので、1クラス毎の学習者のレベルギャツプが大きくそれを埋めるために、アシスタントを付けているとのことでした。この方法は、質問をしやすくするという効果もあるようです。
 あいち日本語の会では、運営がとてもシステマチックに整備されているという点にも驚きました。
授業前: 「教案作成」→「メイン講師、アシスタント打ち合わせ」→「授業」
授業後: 各クラスの反省会を開き、「反省会レポート」→「全体ミーティングで読み上げ共有」→「解決」
アシスタント制による細かい習熟度把握: 「学習者の習熟度、ニーズの把握」→「各タームのカリキュラムへの反映」→「学習者の満足度UP」
ノウハウの蓄積: 「指導案の冊子化」→「講師レベルの向上、均一化」→「安定感」
 ボランティアの教室では、なかなか、事務処理や今後を見据えた活動、問題点の解決などがうまく機能しないという悩みが多いのではないでしょうか、その点で、ボランティアの意識の高さが見える教室でした。

「日本語教室あいうえお」
 日本語教室の立ち上げにはこんないろんな苦労があるんだよ。ということが本当に良く分かる報告でした。ちょっとしたドキュメンタリーとも言えそうな作品?でした。
 教室立ち上げの場所の選定、場所の確保の際の、お金や信用の苦労、場所が見つかれば今度は、教室を知ってもらう為のチラシやポスターの準備、ポスターを貼らせてもらうのだって、ちょっとやそっとでは貼らせてもらえません。こういうことを見ると、今ある日本語教室が本当に地域の理解と協力の下にあることを感じます。
 教室の様子のビデオも学習者1人にボランティア2人というものでしたが、始めのうちはボランティア、学習者とも揃わないことも少なくありません。むしろ、学習者もボランティアも緊張しながらも、楽しそうに、勉強している様子が印象的でした。
 会場では、現在の問題点、今後の方針などをどう解決していくかといったことまで話が及び、今後の展開がイメージできている様子が伺えました。


「桑名市教育委員会の取り組み」
 ことばの教室「ガンバチアンド」は、今年の夏休みから始まった、外国人児童生徒の為のクラスです。桑名市の大山田北小学校で外国人児童に対する「日本語指導」「学校の勉強のサポート」を「国際化対応教員」と「ボランティア」が中心となり、おこなっているそうです。
 市街地から歩くには遠い大山田地区へ車で送り迎えをするのが先生だったり、子供毎に学習コードを作り、勉強のカリキュラムや、進捗を学校と、相互に補完し合うなど、とても良い協力体制があると感じました。
 また、普段は色々な学校に分散している児童が集まれるような仕組みで児童の学習意欲を高めるなど、多くの工夫もされているようでした。
 話を聞いて、学校(教育委員会)とボランティアの方たちが、子供にとって何が一番良いかを考えて動いているという印象を受けました。
 まだまだ問題はあるようですが、着実な成果を上げているようでした。
まとめの「"子供に対して何がサポートできるか"から考えて始める。」の一言が印象的でした。


「座談会」
 座談会では、登壇者の方の感想を聞いてから、会場との意見交換などもありました。
教室訪問という点では「見る側」「見られる側」では、やはり、「見られる」というのはあまり嬉しくないことの事のように受け取られているようでした。見る側のマナーが悪いといったことが重なると「もうやめて」ということになってしまうでしょう。
 会場の意見には「"教室の交流"自体に意味があるのか」という意見もありましたが、
交流すること自体はとても良いことだと思います。
 人に見せることで、
「見られても良いように良くする努力をする。」
「見た人からの意見・感想が聞ける。」→改善のきっかけ、材料
「人と話すことで、何か新しい動きやアイデアが起きたり、生まれたりする可能性が増える。」
 だから、見た側は「意見・感想」をきちんと残すことが大切です。
 しかし、見せたくないという意見は、自分だけでなく「自分の学習者に対して悪い」という配慮かも知れないです。
 今回は会場の意見が、すごく少なかったように思います。時間も少なかったのですが、活発な意見交換というより、見て満足という感じが漂ってました。


「ブース」
 大盛況でした、一番奥まで行くのが大変な位、リソースの資料もそこそこ売れてました。「伊賀日本語の会」では10周年の記念誌も出てました。他のところも活動初めて10年近いところがたくさん。日本語ボランティア新しいようで長いなあ〜と思いました。

以上


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